少し大げさにいえば、私は日本史に対する興味がある程度行き着くとこまで到達してしまったため、現在の興味は古代中国史にあります。『史記』は翻訳本が入手しやすい状況が長く続いていたこともあり既に読み終え、今は『漢書』(ちくま学芸文庫)を読み進めているところです。
『史記』と『漢書』では楚漢の争覇戦の部分がほぼ重複していますが、あらためて読んでいて感じるのは歴史の面白さ、そして言葉に表せない
奇妙さです。
そうした「ちと奇妙な話」として、まず楚漢の争覇戦の主人公・
項羽を見てみたいと思います。これは有名な話ですが、項羽は若いころ文字を学びましたが覚えられず、
「文字なんか自分の名前を書くくらいしか役に立たない!」
とうそぶいたとされます。それではと剣を習いますが、
「剣は1対1の戦いにしか使えない!」
と身が入りません。
「俺は大軍の指揮を学びたい!」
というので兵法に取り組みますが、概要を把握した程度で熱心には探求せずに止めてしまったといいます。